彼岸花

いつもの通勤路の小学校横の遊歩道。

春は桜、夏は蝉の声、9月に入って秋の虫の声など

つかの間の時間、私に季節の移ろいを感じさせてくれる

お気に入りの道なのですが、今はそこに「彼岸花」が

咲き誇っています。

その毒々しいまでの「赤」は存在感が強く、好き嫌いの

はっきりと分かれる花の一つかも知れません。

私は小さい頃の思い出の中に鮮明に残る、この花が

好きです。花自体に特別な思い出やエピソードがあるわけでは

ありませんが、なぜか心の奥底に焼きついていて、小学校の

頃を思い出すと、この花が登場するシーンが度々あります。

 それにしても、その名前の通りに、彼岸の時期にきっちりと

狂いなく、花を咲かせる、自然の力はやはり偉大です。

【心斎橋GG】

敗者に称賛の拍手を

 幼い頃から、スポーツが大好きで、今でもスポーツ観戦が何よりも

楽しみです。競技の種類は問わず、どんなスポーツでもテレビ中継は可能な限り

見ています。今まで、オリンピックやワールドカップなど、数え切れないくらいの

名勝負や名シーンと呼ばれるものを目にしてきましたが、先週「これは生涯で

5本の指に入る。」と言っても過言ではない試合を体験しました。

八重樫東(やえがしあきら)というボクシングの選手をご存知でしょうか?

苦労を重ねたうえに、フライ級の世界王座を獲得し3度の防衛に成功した

世界チャンピオンでした。

そう、今では「でした。」と過去形になったのですが・・。

そんな彼が、4度目の防衛戦の相手に選んだのは、ローマン・ゴンザレスと

いうニカラグアの選手。過去2階級を制覇し、フライ級に階級を上げて、

3階級制覇を目論んでいました。その戦績はアマチュアで87戦無敗。

プロになってからも、39戦全勝33KOというとてつもないもの。

怪物と称され、ボクシング界の「生きる伝説」とも呼ばれている強豪です。

そのあまりの強さから、他の団体のチャンピオン達は誰も挑戦者に選ばず

避けていました。そんな中、八重樫は「強い相手に勝ちたい。」というあまりに

単純で明快な理由から、果敢にも彼を挑戦者に選びました。

スポーツ選手、特に個人競技の選手は「強い相手と勝負して勝ちたい。」と

考えるのは当然のことですが、また同時に「少しでも長く世界チャンピオンで

いたい。」と考えるのも人間として当たり前のことでしょう。でも、八重樫は

信念を貫き、誰もが避けて通る、「怪物」を挑戦者に選びました。

「対策や作戦を考えたが、やっぱり強い。自分のやられている姿を想像するし

生命の危機を感じる。」と戦前から悲痛な覚悟。

結果は・・・。8ラウンドまではなんとか持ちこたえたのですが、9ラウンドに

挑戦者の連打を浴び、コーナーに追い詰められてさらにパンチの嵐。これ以上

は危険と判断したレフェリーがそこで試合をストップ。

その時、場内の満員の観客から「アキラコール」が巻き起こり、

その拍手と歓声はしばらく止むことはありませんでした。

 敗者に贈られる称賛の拍手。

本当の勇者の姿がそこにありました。

【心斎橋GG】